楽天SCHDが初の分配金を発表して話題ですね。
「これを買い続ければFIRE(経済的自由と早期リタイア)が実現できるの?」と気になりませんか?
今回は、その可能性を分配金データや現実的な視点から掘り下げてみます。
楽天SCHDとは
楽天SCHDは、米国の高配当ETF「SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)」に投資する日本の投資信託。
ダウ・ジョーンズU.S.ディビデンド100指数に連動し、高配当と成長を目指します。
2024年9月に販売開始し、年4回(2、5、8、11月)の分配金を特徴にしています。
「為替ヘッジなし」なので、ドル円相場の影響も受けます。
初分配金の状況
2025年2月25日に発表された楽天SCHDの初分配金は、10,000口あたり85円。
基準価額が約10,522円(3月2日時点)だとすると、四半期利回りは約0.80%。
年4回で単純計算すると、年間分配金は340円、年利回りは約3.23%。
SCHD本家の利回り(約3.5〜3.7%)に近く、信託報酬0.192%や為替を考慮してもまずまずの結果です。
FIREに必要な条件
FIREとは、投資収益で生活費を賄い、仕事を辞める状態。
一般的な目安は「年間生活費の25倍の資産」。
たとえば、生活費が年300万円なら、7,500万円が必要になります。
楽天SCHDだけでFIREするには、分配金がその額をカバーする規模になるか計算してみます。
初分配金85円から見るFIREの可能性
四半期85円の現実
初分配金85円を年4回と仮定すると、年間340円。
利回り3.23%で、生活費300万円を得るには:
- 300万円 ÷ 0.0323 = 約9200万円の投資が必要。
毎月5万円積み立て(年60万円)なら、元本だけで約8,600万円に達するのに15年以上。
増配や複利を加味しないと、FIREは遠い目標に。
増配を加味したシナリオ
SCHDは過去10年で年平均11%の増配実績あり。
楽天SCHDも同様に増配すると仮定して計算:
- 投資額1,200万円の場合
- 初年度:約42万円(利回り3.5%)
- 10年後(11%増配):約120万円
- 20年後:約340万円
米国税10%を引いても、20年後には約300万円に到達。
毎月5万円積み立てなら、20年で元本1,200万円+運用益でFIREが見えてくる。
初分配金からの調整
しかし、初回85円(年3.23%)だと、SCHD本家の3.5%より若干低め。
増配率11%が維持できれば:
- 1,200万円投資で20年後約300万円は変わらず可能。
でも、増配が5%に落ちると、20年後約150万円に半減。
初回データからは、増配の持続が鍵を握る。
現実的な課題3つ
- 為替リスク: 円高で分配金の円換算額が減る。2025年3月時点の円安(仮定150円/ドル)が続けば有利だが、不安定。
- 増配の不確実性: SCHDの11%増配が鈍化すれば、FIREまでの道が遠のく。
- 市場リスク: 株価下落で資産が減り、分配金頼みの計画が崩れる可能性。
注意点2つ
- 単一依存の危険: 楽天SCHDだけではリスク集中。分散が賢明。
- 長期前提: FIREには20〜30年の積み立てが必要。短期では無理。
おわりに
楽天SCHDの初分配金85円は、年利3.47%でFIREへの第一歩としては悪くない。
増配が続けば、1,200万円投資で20年後に生活費300万円を賄う可能性も。
でも、為替や市場リスクを考えると、他の資産とのバランスが大事です。
免責事項:
本記事は情報提供のみを目的としており、投資判断は自己責任で行ってください。具体的な投資アドバイスや詳細な計算については、専門家にご相談いただくことをおすすめします。