脱炭素〜高炉から電炉へ、注目銘柄〜

電路への転換

二酸化炭素の排出量を大幅に減らせることで注目されている電炉。

2050年には、高炉の数を逆転し主流になると言われています。

CO₂排出削減と電炉シェア向上のイメージ(東京製鉄の環境報告書2019から)

ジャクソンホール後、米国市場に引っ張られ同様に大きく下げた日本株の中で、

住石HD(1514)や日本製鉄(5401)などの資源・資材関係は大きく下げませんでした。

例)住石HD(1514)

250円(26日)=>242円(29日)=>256円(30日)

日本製鉄(5401)

2174円(26日)=>2182円(29日)=>2226円(30日)

ハイテク株や生活必需品セクターも下がる中で大きな変動がないことがわかります。

電炉とはそもそも何なのか

まず、現在主流の高炉について簡単に説明すると、鉄鉱石を高熱で溶かし、

鉄を製造するもので、燃料としてコークスが使われます。

なので、二酸化炭素の排出量も多く、製造量1kg当たり約2.2kgとされています。

では、電炉とは何か

高炉より規模が小型で、電気を使って鉄スクラップを溶かして鉄を製造します。

役目を終えて鉄屑となったものを溶かし、新しい鉄として利用する。

つまりは、鉄の再利用です。

鉄スクラップの需要も大きくなっており、中国が輸入の緩和をし大量に仕入れています。

脱炭素には欠かせなくなるものだと考えています。

しかし、デメリットも存在します。

それは、大量の電力が必要になることや不純物の混入です。

電力

現在、電力逼迫が危ぶまれている中で鉄の加工に大量の電力を使う電炉は、

電気代の値上げといった外的要因を受け、コストが大きく変わります。

不純物

鉄スクラップを利用するため、電炉によって作られた鉄には

不純物が混入していることがあり、加工性に劣り、使い所を選びます。

それでは、電路への転換で注目している銘柄を紹介していきます。

東京製鉄(5423)

  • PER 4.98倍
  • 自己資本比率 63.6%
  • 配当利回り 2.20%

東京製鉄は、どの商社系にも属さない独立系の電炉企業です。

電炉最大手で、毎月販売価格を公開し業界を牽引している。

中山製鋼所(5408)

  • PER 3.9倍
  • 自己資本比率 59.8%
  • 配当利回り 3.59%

日本製鉄系の老舗。

高炉・電炉ともに圧延技術に特化している。

2022年8月4日の決算では、第一四半期決算スコア+11.19と

好決算を発表し、株価も7%近く上昇しました。

マイクロ波化学(9227)

  • PER 281倍
  • 自己資本比率 59.5%
  • 配当利回り ー%

こちらは、今までの銘柄紹介と趣旨が離れますが、これからを期待して紹介します。

今年の6月に上場したばかりの企業ではありますが、

その事業はマイクロ波を使ったテクノロジー開発です。

そもそも、マイクロ波は、電子レンジの温めにも使われ、身近にあります。

https://mwcc.jp/service_technology/microwave/

従来の加熱よりも効率的に熱を加えることが可能なため、今後の活躍に期待です。

追記(10月26日)

電炉関連、世界最大手ニューコア

時価総額一位となった要因として、電路の弱点であった品質を改良し、

値上げ力を手に入れたこと。

さらに、そこに脱炭素化の流れもあり、注目が集まり、2020年末から時価総額は2倍になり、

鉄鋼分野一位に上り詰めました。

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