長期保有する株を買う前に確認したい流動比率とは
株式投資を行う際、特に長期保有を考える場合、企業の財務健全性を確認することが重要です。
その中でも「流動比率」は、企業の短期的な支払い能力を示す重要な指標です。
本記事では、流動比率について詳しく解説し、業種ごとに優良株として判断するための基準を紹介します。
流動比率とは
流動比率(Current Ratio)は、企業の短期的な支払い能力を測るための指標であり、以下の式で計算されます。
流動比率=流動負債÷流動資産×100
流動資産とは、現金や預金、売掛金、在庫など1年以内に現金化できる資産を指します。
一方、流動負債は、1年以内に支払うべき短期借入金や買掛金などの負債を指します。
流動比率の重要性
1. 企業の支払い能力の確認
流動比率は、企業が短期的な支払い義務を果たす能力を示します。
流動比率が高いほど、企業は短期的な債務を問題なく返済できる可能性が高いとされます。
2. 財務の健全性の確認
流動比率が高い企業は、健全な財務体質を持つことが多く、長期的な安定成長が期待できます。
逆に、流動比率が低い企業は、財務的に不安定である可能性が高いです。
3. 投資リスクの低減
流動比率が高い企業に投資することで、投資リスクを低減できます。
特に経済環境が不安定な時期には、財務の健全性が高い企業が有利です。
業種ごとの流動比率の基準
流動比率の適切な基準は業種によって異なります。以下に、主要な業種ごとの目安を示します。
1. 製造業
製造業では、在庫を多く抱えるため、流動比率は一般的に高めであることが望ましいです。
基準:150%以上
2. 小売業
小売業は、売上の回転が早いため、流動比率は製造業ほど高くなくても良いとされます。
基準:120%以上
3. サービス業
サービス業は在庫を持たないため、流動比率が他の業種に比べて低くても問題ありません。
基準:100%以上
4. IT・ハイテク業
IT・ハイテク業は、成長スピードが速く、資産構成も流動性が高いため、流動比率が高くなくても許容範囲です。
基準:120%以上
5. 金融業
金融業は、流動資産と流動負債の構成が他の業種と大きく異なるため、流動比率だけで評価するのは難しいです。
しかし、他の指標と併せて流動比率を考慮することは有益です。
基準:100%以上
流動比率が高い企業の見つけ方
1. 財務諸表の確認
企業の財務諸表には、流動資産と流動負債の情報が記載されています。これをもとに流動比率を計算します。
2. 財務データベースの活用
Yahoo!ファイナンスやバフェットコードなどの財務データベースを活用することで、
簡単に企業の流動比率を確認できます。
3. 企業のIRサイト
企業のIR(投資家向け情報)サイトでは、詳細な財務情報が公開されていることが多いです。
これを利用して流動比率を確認します。
まとめ
長期保有を考える際には、企業の財務健全性を確認することが重要です。
流動比率は、その企業が短期的な支払い能力を持つかどうかを判断するための重要な指標です。
業種ごとの適切な基準を参考にしながら、投資先企業の選定を行いましょう。
流動比率が高い企業に投資することで、リスクを低減し、安定した投資成果を期待できます。