投資の世界には、毎月安定したお小遣いがもらえるかのような魅力的な商品があります。その代表格の一つが、毎月分配型ファンドとして人気の「世界のベスト」です。
しかし、このタイプのファンドは「増やす」ことを目的とした一般的な投資とは少し異なる哲学を持っています。
今回は、「世界のベスト」の魅力とリスクを解説するとともに、世界屈指の資産運用会社インベスコが提唱する「王道」投資術と比較しながら、あなたの投資目的を再確認するヒントをお届けします。
「世界のベスト」が持つ、2つの顔
「世界のベスト」の最大の魅力は、「毎月、現金を受け取れる」という点です。安定したキャッシュフローは、リタイア後の生活費や、日々のちょっとした贅沢に充てるなど、多くの人にとって大きな安心感となります。
しかし、この魅力には、注意すべき裏の顔があります。
リスク1
元本の取り崩し毎月支払われる分配金は、必ずしも運用益から支払われているとは限りません。運用が不調な時期には、投資した元本を切り崩して支払われることがあります。
これを「特別分配金(元本払戻金)」と呼びます。元本が減っていくため、基準価額が上がりにくく、結果として資産全体が増えにくくなるという構造的な問題があります。
リスク2
為替変動世界の株式に投資するため、基準価額は常に為替変動の影響を受けます。いくら株式が値上がりしても、円高が進めば、資産は目減りしてしまいます。
つまり、「世界のベスト」は、「増やす」というよりは、「資産から安定した収入を受け取る」ことに特化したファンドなのです。
インベスコが明かす「王道」投資術との違い
ここで、インベスコの書籍『世界屈指の資産運用会社インベスコが明かす世界株式「王道」投資術』が説く哲学を見てみましょう。
この本が提唱する「王道」とは、単なるインデックス投資ではなく、「世界経済の成長を牽引する優良企業」に厳選して投資する戦略です。
インベスコは、目先の分配金ではなく、企業の成長による株価の上昇、つまり「キャピタルゲイン」こそが、長期的な資産形成の最も効率的な方法だと説きます。
成長企業に投資することで、得られた利益は再投資され、複利の力で雪だるま式に資産が増えていくからです。
どちらを選ぶべきか?賢い使い分けのヒント
「世界のベスト」とインベスコの「王道」投資術は、どちらが優れているということではありません。大切なのは、あなたの投資目的と人生のステージに合わせて使い分けることです。
現役世代(資産を「増やす」ステージ)
- 最適な選択肢: インベスコの「王道」投資術。
- 理由: まとまった収入がまだない時期は、分配金を受け取って使うのではなく、再投資に回し、資産を最大限に増やすことに集中すべきです。成長企業への投資は、その目的と合致します。
リタイア世代(資産を「受け取る」ステージ)
- 最適な選択肢: 「世界のベスト」のような毎月分配型ファンド。
- 理由: 十分な資産が形成された後であれば、毎月の分配金を生活費の足しとして活用できます。元本を維持しながら収入を得ることで、経済的な安心感を高められます。
まとめ:あなたの「目的」が投資戦略を決める
投資は、「何を」「いつ」買うかだけでなく、「なぜ」投資するのかという目的が最も重要です。
- 資産を最大化したいなら、インベスコが教える「王道」投資術を学び、成長投資に挑戦してみてください。
- 安定した収入を得て安心して暮らしたいなら、「世界のベスト」のようなファンドも有効な選択肢となります。
この両者の哲学を理解することで、あなたの投資はさらに深みを増し、自分だけの最適なポートフォリオを築けるでしょう。
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