「配当金が減ることなく、毎年増えていく株」は、多くの投資家にとって理想です。
しかし、この「連続増配」や「累進配当」という考え方を、投資信託やETFにそのまま当てはめようとしていませんか?
残念ながら、連続増配や累進配当を約束する低コストの投資信託は、現在のところ存在しません。
これは投資信託の仕組み上、仕方のないことなのです。では、なぜこのような夢のようなファンドがないのか、そして代わりにどうすれば賢く資産を増やせるのかを解説します。
なぜ「連続増配」の投資信託はないのか?
「連続増配」や「累進配当」は、トヨタや三菱商事といった個別の企業が掲げる「株主への配当方針」です。
これは、その企業の業績や財務状況に基づいて決定されます。
一方、投資信託は多くの企業の株式を詰め合わせた「かご」のようなものです。
投資信託の分配金は、このかごに入っているすべての企業の配当金や、株の売買で得られた利益の合計から支払われます。
そのため、運用会社が「分配金を減らしません」と保証することはできません。
もちろん、投資先の企業が安定的に成長すれば、投資信託の分配金も増えていく可能性はあります。
しかし、それはあくまで「結果」であり、企業の配当方針のように「方針」として掲げられているわけではないのです。
「連続増配」に近い効果を得る賢い方法
連続増配・累進配当を直接約束する投資信託はなくても、それに近い効果を得る方法は複数あります。
1. 分配金再投資型の低コストインデックスファンド
これが最も王道かつ堅実な方法です。
- 何をする? 分配金を受け取らず、自動的にファンドに再投資される設定にします。
- なぜ効果的?得られた分配金が再び投資に回るため、複利効果を最大限に利用できます。短期的な分配金の増減に一喜一憂することなく、資産全体の成長に集中できるのです。将来的に得られる分配金も、この複利効果によって雪だるま式に増えていきます。
たとえば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天・全米株式インデックス・ファンド」のような低コストのファンドは、この方法に最適です。
2. 米国株の「連続増配」ETF
投資信託ではありませんが、ETFには「連続増配企業」に投資する商品がいくつもあります。
- Vanguard Dividend Appreciation ETF(VIG)10年以上連続して増配している米国企業約300銘柄に分散投資します。
- WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Fund(DGRW)将来的な増配の可能性も加味して銘柄を選定するファンドです。
これらは、減配リスクが極めて低い企業群に絞って投資するため、「分配金が毎年増えていく」というあなたの目標に最も近い商品です。
まとめ:あなたに最適なのはどちら?
「連続増配」や「累進配当」という言葉に惑わされず、本当に自分が目指したいのは何かを考えてみましょう。
「とにかく長期で資産を増やしたい!」
分配金再投資型の低コストインデックスファンドが最適です。複利効果で雪だるま式に資産が増えるため、将来的に得られる分配金も大きくなります。
「毎年安定して増えていく分配金を、手元で受け取りたい!」
米国の連続増配ETFが最も適しています。企業の配当方針を反映しているため、安定したインカムゲイン(配当収入)を期待できます。
どちらの方法も、インデックスファンドやETFを活用する賢い投資戦略です。
ぜひ、あなたの投資目的に合わせて、最適な方法を選んでみてください。
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