利回りが高ければいいというわけではない:避けるべき高配当株と選ぶべき高配当株
高配当株は、安定した収入を求める投資家にとって魅力的です。
しかし、利回りが高いからといって、すべての高配当株が安全であるわけではありません。
今回は、避けるべき高配当株の特徴と、積極的に候補に入れるべき高配当株の特徴について解説します。
避けるべき高配当株の特徴
配当性向が高すぎる
- 説明: 配当性向とは、企業が稼いだ利益のうちどれだけを配当として支払っているかを示す指標です。配当性向が高すぎる企業は、利益の大部分を配当に回しているため、将来的な成長やリスクへの対応が難しくなる可能性があります。
- 目安: 配当性向が80%を超える企業は注意が必要です。特に、利益の成長が期待できない場合、持続可能性が疑わしいです。
配当性向ランキング(みんかぶ)
キャッシュフローが悪化している
- 説明: 企業のキャッシュフローが悪化している場合、配当を維持するために借入金に依存することがあります。これは、将来的に財務健全性を損なうリスクが高まります。
- 目安: フリーキャッシュフローがマイナスの企業や、配当を維持するために借金を増やしている企業は避けるべきです。
業績が低迷している
- 説明: 業績が低迷している企業は、配当を維持するのが難しくなります。特に、売上や利益が減少している場合、配当の減額や停止のリスクが高まります。
- 目安: 直近数年の業績が低迷している企業、特に収益性が大幅に悪化している企業は注意が必要です。
一時的な高配当
- 説明: 一時的に高配当を出している企業も注意が必要です。特に、特別配当など一時的な要因で配当が高くなっている場合、その水準を維持できるかどうかは不明です。
- 目安: 定常的に高配当を維持しているか、特別配当が繰り返されていないかを確認しましょう。
積極的に候補に入れるべき高配当株の特徴
安定した業績と収益性
- 説明: 安定した業績と収益性を持つ企業は、配当を安定して支払うことができます。特に、過去数年にわたって安定した収益を上げている企業は信頼性が高いです。
- 目安: 売上や利益が安定している企業、特に収益性が高い企業は注目です。
健全な財務体質
- 説明: 財務体質が健全な企業は、長期的に配当を支払う余裕があります。特に、負債が少なく、自己資本比率が高い企業は、財務の健全性が高いといえます。
- 目安: 負債比率が低く、自己資本比率が高い企業は、配当の持続可能性が高いです。
持続可能な配当性向
- 説明: 持続可能な配当性向を維持している企業は、長期的に配当を支払う能力が高いです。配当性向が適度であることが重要です。
- 目安: 配当性向が40%~60%の企業は、持続可能な配当を支払う余裕があると判断されます。
キャッシュフローの安定性
- 説明: 安定したキャッシュフローを持つ企業は、配当の支払い能力が高いです。特に、フリーキャッシュフローが安定してプラスであることが重要です。
- 目安: フリーキャッシュフローが安定してプラスの企業は、配当の持続可能性が高いです。
キャッシュリッチランキング(東洋経済)
まとめ
高配当株への投資は魅力的ですが、利回りの高さだけで判断するのは危険です。
配当性向やキャッシュフロー、業績の安定性など、複数の要因を総合的に判断することが重要です。
避けるべき高配当株の特徴と、積極的に候補に入れるべき高配当株の特徴を理解し、賢い投資判断をしましょう。