アルファベットQ2決算プレビュー、急落の答えが出る日

決算発表 ▲7月28日(米国時間)市場引け後に確定 Q2 EPS市場予想 ▼2.88ドル。Q1実績5.17ドルからは一時的要因の剥落で減少見込み クラウド受注残高 ▲Q1時点で前期比ほぼ倍増の4,620億ドル 2026年設備投資 ▼175億ドル上方修正の180〜190億ドル、2027年は「さらに大幅増加」を予告 アナリスト目標株価 ▲平均427ドル(54名)、382ドルから上方修正 決算発表 ▲7月28日(米国時間)市場引け後に確定 Q2 EPS市場予想 ▼2.88ドル。Q1実績5.17ドルからは一時的要因の剥落で減少見込み

決算プレビュー・2026年7月28日

アルファベットQ2決算
急落の答えが出る日

6月の急落で「次の判断材料は7月28日の決算」とお伝えしました。その決算が近づいています。今回の決算で見るべき5つのポイントを整理します。

→ 前回の記事:アルファベット株急落の真相を整理する

基本情報

決算の概要と、すでに分かっていること

2026年度第2四半期決算は、米国時間7月28日の市場引け後に発表が確定しています。会社側は4月の決算説明会で、いくつかの先行きの見通しを示しています。

  • 為替の影響Q1は為替が売上高を+3ポイント押し上げましたが、Q2の押し上げ効果は+1ポイント程度に縮小する見通し。為替の追い風が薄れる分、本業の成長力がそのまま試されます。
  • 設備投資2026年通期の設備投資見通しは175億〜185億ドルから180億〜190億ドルへ上方修正済み(Intersect買収分を含む)。2027年については「2026年比でさらに大幅に増加する」とだけ説明されており、具体的な金額は示されていません。
  • クラウド受注残高Q1時点で前四半期比ほぼ倍増の4,620億ドルに達しており、今後24ヶ月でその50%超を売上として計上する計画が示されています。
  • TPUハードウェア自社開発AIチップ「TPU」のハードウェア販売を、一部顧客のデータセンター向けに2026年内から開始予定。売上の大部分は2027年にずれ込む見通し。
  • Wiz統合の影響サイバーセキュリティ企業Wizの買収により、2026年内はクラウド部門の利益率に一桁台前半ポイントの圧迫要因が生じる見通し。

注目点①

フリーキャッシュフローは回復軌道に乗っているか

6月の急落の最大の引き金は、Q1のフリーキャッシュフローが前年比-47%まで落ち込んだことでした。Q2でこの傾向が続くのか、設備投資のペースに対して売上の伸びが追いついてきているのかが、最大の注目点です。

Q1実績 FCF前年比-47% 設備投資の急増が直接の要因。市場が最も神経質になっている数字。
2026年通期予想 FCF前年比-72%程度 2025年の733億ドルから、約205億ドルまで縮小するというのが決算前の市場予想。
回復シナリオ 2027年に350億ドル超 新設データセンターの稼働開始・償却サイクルの一巡により、FCFが回復するというのがアナリストの基本シナリオ。

Q2の数字が、この「2027年に回復する」というシナリオと整合する範囲に収まるかどうかが、最初の合否ラインになります。

注目点②〜⑤

その他に見ておきたいポイント

  • ②クラウド受注の転換4,620億ドルの受注残高が、実際の売上としてどれだけ計上され始めているか。Q1の前年比+63%という成長率を維持できているかも合わせて確認したいポイントです。
  • ③検索・広告の底堅さAIによる検索結果の要約機能が広がる中、従来の検索広告収入が引き続き伸びているか。Q1は総売上1,099億ドル(+22%)と市場予想を上回りましたが、この勢いの継続性が問われます。
  • ④TPU売上の立ち上がり2026年内に一部でも売上が計上され始めれば、ハイパースケーラー以外への収益源の多角化という明るい材料になります。
  • ⑤人材流出・増資の影響6月に表面化したAI研究者の他社流出(OpenAI・Anthropicへ)が、その後も続いているか。850億ドル規模の増資による株式希薄化が、1株当たり指標にどう反映されているかも確認材料です。

市場の現状

決算前の株価・評価はどうなっているか

アナリスト目標株価 平均427ドル 54名のアナリストによる平均。382ドルから上方修正されている。
2026年通期予想(上方修正後) 売上4,865億ドル 4,735億ドルから上方修正。市場のコンセンサスは決算前でも強気を維持している。
強気派の再評価シナリオ PER25〜30倍で490〜585ドル クラウド・TPUの強みが続けば、評価倍率そのものが見直される可能性があるとする見方もある。

急落から1ヶ月ほどを経て、アナリストの目標株価はむしろ上方修正されており、コンセンサスは決算前でも「強い買い」を維持しています。これは、6月の急落が業績そのものへの評価変化というより、一時的な悪材料の重なりによるものだったという、これまでの整理と整合する状況です。

考え方

この決算を、どう位置づけるか

決算の数字そのものより、「2027年の投資はいつ収益に変わるのか」という質問に、経営陣がどこまで具体的に答えるかが本質的な論点になる。

好材料として働きうる点

  • クラウドの受注残高が売上に転換され始めている兆候
  • 検索・広告事業が市場予想を上回るペースを維持
  • TPUハードウェア売上の早期立ち上がり
  • 2027年設備投資について、より具体的な道筋が示される

懸念材料として働きうる点

  • FCFの悪化がQ1よりさらに進む、または市場予想を下回る
  • 2027年設備投資について「さらに大幅増加」という説明が繰り返されるだけで、具体性が示されない
  • Wizののれん・利益率圧迫が想定以上に大きい
  • 人材流出が新たに表面化する

まとめ

「いつ収益になるか」への答えを待つ

6月の急落を引き起こした懸念(設備投資・フリーキャッシュフロー)は、まだ解消されていません。7月28日の決算は、これらの懸念に対して会社側が具体的な数字と見通しで応えられるかどうかを試す、最初の本格的な機会になります。アナリストの目標株価が決算前から上方修正されている事実は、市場が前向きな結果を期待していることを示していますが、それが実現するかは決算発表まで分かりません。

本記事は一般的な情報提供を目的とした分析・整理であり、将来の決算内容や株価動向を保証するものではなく、特定の投資判断を推奨するものでもありません。記載のデータは執筆時点(2026年6月末〜7月初め)の報道・アナリストレポート等に基づくものであり、決算発表前後の状況により変わる可能性があります。投資にあたっては最新の情報を確認の上、必要に応じて金融の専門家にもご相談ください。

決算プレビュー・アルファベットQ2 2026年7月

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