VYMとSCHD:どちらも魅力的な高配当ETF
VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)とSCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)は、
米国株を中心とした高配当ETFとして人気を誇ります。
それぞれ特徴や組入銘柄、投資方針には違いがあり、両方を保有することでリスク分散や収益向上が期待できる点が魅力です。
この記事では、VYMとSCHDの違いや、合わせ持ちのメリットを詳しく解説します。
1. VYMとSCHDの基本情報と投資方針の違い
VYM:バンガード・高配当利回りETF
- 運用方針:米国の高配当株を幅広くカバーするETF。
- 組入銘柄数:約440銘柄(2023年時点)。
- 特徴:分散効果が高く、セクター偏りが少ない。
- 配当利回り:3〜3.5%程度(2023年時点)。
- 主な構成銘柄:Exxon Mobil、Johnson & Johnson、Procter & Gamble。
- 投資スタイル:安定的で広範囲の配当収入を求める投資家向け。
SCHD:シュワブ米国株式配当ETF
- 運用方針:増配履歴や収益性、財務健全性を重視し、厳選した高配当株に投資。
- 組入銘柄数:約100銘柄(2023年時点)。
- 特徴:増配率が高い銘柄が多く、トータルリターンを重視。
- 配当利回り:3.5〜4%程度(2023年時点)。
- 主な構成銘柄:PepsiCo、Merck、Texas Instruments。
- 投資スタイル:増配とキャピタルゲインを狙う投資家向け。
2. VYMとSCHDの組入銘柄とセクター分布の違い
VYMのセクター分布(2023年時点)
- 金融:20%
- ヘルスケア:15%
- 消費財:13%
- エネルギー:10%
- 公益事業:8%
VYMは約440銘柄を幅広くカバーしており、特に金融セクターの比率が高い点が特徴です。
SCHDのセクター分布(2023年時点)
- 情報技術:20%
- ヘルスケア:15%
- 金融:14%
- 消費財:14%
- 工業:12%
SCHDは約100銘柄に厳選されており、情報技術や消費財の比率が高い点が特徴です。
また、配当成長や収益性を重視しているため、業績が安定した企業が多いです。
主な違い
- 分散性:VYMは分散性が高く、リスクが低い。一方、SCHDは厳選された銘柄に集中しており、成長性が期待できます。
- セクター構成:VYMは金融やエネルギーセクターが中心。SCHDは情報技術や消費財が多め。
3. VYMとSCHDを合わせ持つメリット
メリット1:分散効果の向上
VYMは約440銘柄、SCHDは約100銘柄と組入銘柄数が異なり、セクター配分も異なるため、
両方を保有することでより広範な分散投資が可能です。
- VYM:市場全体に分散した安定的な配当収入。
- SCHD:厳選銘柄による増配とキャピタルゲインの期待。
メリット2:異なる配当スタイルの組み合わせ
- VYMは安定的な配当利回りを提供する一方、SCHDは増配率の高い銘柄が多いため、配当成長も期待できます。
- 配当収入を安定化させつつ、将来的な配当収益の成長も狙えます。
メリット3:リスク分散
- SCHDが100銘柄に集中している分、VYMを保有することで銘柄数を増やし、リスクを軽減。
- セクターの偏りも補完できるため、市場の変動に対する耐性が向上します。
メリット4:市場環境に左右されにくい
VYMは分散性の高さから景気の安定期に強く、SCHDは増配率が高いため、景気変動時のリターン低下を抑える
効果があります。
4. VYMとSCHDの組み合わせシミュレーション
「条件」投資額:1,000万円
- 保有比率:VYM50%、SCHD50%
- 年平均リターン(予想):VYM 7%、SCHD 9%
- 保有期間:10年間
結果
年数 | VYM資産額 | SCHD資産額 | 合計資産額 |
---|---|---|---|
1年目 | 535万円 | 545万円 | 1,080万円 |
5年目 | 701万円 | 773万円 | 1,474万円 |
10年目 | 984万円 | 1,160万円 | 2,144万円 |
- VYMとSCHDを組み合わせることで、安定した資産成長と配当収入が期待できます。
5. まとめ:VYMとSCHDを合わせ持つべき理由
VYMとSCHDは、それぞれ異なる投資方針と特徴を持ちながら、高配当ETFとして優れたパフォーマンスを提供します。
両方を組み合わせることで以下のメリットが得られます
- 分散効果の向上:銘柄数やセクター配分の違いでリスクを軽減。
- 安定収入と成長性の両立:VYMで安定配当、SCHDで増配とキャピタルゲイン。
- 市場環境に強いポートフォリオを構築:景気変動に対する耐性を強化。
特に配当収入を再投資し、長期的に資産を増やしたい投資家にとって、この組み合わせは理想的な選択肢となります。
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