個人向け国債の金利【2026年9月】固定5年2.24%|変動10年との違いと選び方

個人向け国債・固定5年が年2.24%へ|2026年9月募集を読み解く

個人向け国債 / 2026年9月募集

固定5年が年2.24%へ。
「低金利の商品」ではなくなった

3タイプすべてが過去最高水準を更新。ネット銀行の定期預金を上回る水準に戻ってきました。募集は9月30日まで。

2026年9月 / 少しでも豊かな生活へ.com

固定5年

2.24%

前月比 +0.18pt

固定3年

1.96%

前月比 +0.25pt

変動10年

1.95%

前月比 +0.08pt

募集期限

9/30

発行日は10月15日

財務省が9月2日に発表した個人向け国債の2026年9月募集分は、固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%、変動10年が年1.95%となりました。3タイプすべてで前月から上昇し、いずれも近年の最高水準です。

数年前まで、個人向け国債は「買う意味がない商品」の代表格でした。2021年の固定5年は年0.05%。100万円を預けても、1年で500円です。それが今、同じ商品が年2.24%になっています。

この記事では、9月募集の数字を確認したうえで、預金と比べてどうなのか、3タイプのどれを選ぶべきか、そして買うときに気をつけたい点を整理します。


01 — 数字の確認

3タイプすべてが上昇、固定3年の伸びが最大

タイプ9月募集8月募集前月比
固定5年2.24%2.06%+0.18pt
固定3年1.96%1.71%+0.25pt
変動10年1.95%1.87%+0.08pt

※ 税引前。募集期間は2026年9月3日〜9月30日、発行日は10月15日。

注目すべきは固定3年の伸びです。7月募集は1.56%でしたから、わずか2か月で0.40ポイント上昇したことになります。短期の金利が急速に上がっていることの表れです。

背景にあるのは長期金利の上昇

個人向け国債の金利は、財務省が裁量で決めているわけではありません。市場で形成される国債の金利を基準に、商品ごとの計算式で機械的に決まります。固定5年なら「基準金利 − 0.05%」、固定3年なら「基準金利 − 0.03%」、変動10年は「基準金利 × 0.66」です。

9月1日、長期金利の指標である新発10年国債の利回りが3.00%まで上昇し、約30年ぶりの水準を記録しました。この市場金利の上昇が、そのまま9月募集分の利率に反映されたかたちです。

つまり、金利は「相場」です。市場金利が上がれば翌月以降の募集金利も上がり、下がれば下がります。今の水準が来月も続くとは限りません。逆に言えば、待てばもっと上がる可能性もあります。この点は後ほど触れます。

02 — 比較

預金と比べると、どのくらい違うのか

「2.24%」という数字だけでは実感が湧きにくいので、他の預け先と並べてみます。

個人向け国債 固定5年
2.24%
ネット銀行 1年定期
1.50%
メガバンク 1年定期
0.40%
メガバンク 普通預金
0.20%

※ 預金金利は2026年9月時点の代表的な水準。ネット銀行はキャンペーン金利を含む上位行の例。

100万円を1年間預けた場合の利息(税引前)で見ると、メガバンクの1年定期が4,000円、ネット銀行の高金利定期が15,000円、個人向け国債の固定5年が22,400円。同じ「元本が守られるお金の置き場所」でも、これだけの差があります。

ただし、条件は同じではない

この比較には、公平を期すための但し書きが必要です。ネット銀行の高金利定期には「新規口座限定」「3か月もの」といった条件が付くことが多く、誰でも、いつでも受けられるとは限りません。一方、個人向け国債には「1年間は換金できない」という制約があります。

単純に数字の大きさだけで優劣を決めず、自分がそのお金をいつ使うのかを考えて選ぶ必要があります。


03 — 選び方

固定5年か、変動10年か

3タイプのうち、実際に迷うのは「固定5年」と「変動10年」でしょう。9月募集では固定5年(2.24%)が変動10年(1.95%)を0.29ポイント上回っています。

タイプ金利の動き向いている考え方
固定5年満期まで変わらない今の高い水準を確定させたい
変動10年半年ごとに見直しこの先も金利が上がると見る
固定3年満期まで変わらない3年後に使う予定がある

判断の分かれ目は、「この先、金利はさらに上がるか」という見通しです。

今の水準で満足なら、固定5年で2.24%を5年間確定させるのは合理的です。100万円なら5年間で約11万2,000円(税引前)の利子が確定します。一方、日銀の追加利上げが続くと見るなら、半年ごとに金利が見直される変動10年のほうが、将来的に有利になる可能性があります。

迷うなら、分けて買うという手もあります。個人向け国債は毎月募集されており、1万円から購入できます。固定と変動を半分ずつにする、あるいは毎月少しずつ買い進めて金利のタイミングを分散させる。どちらに転んでも極端に外さない、現実的な方法です。

04 — 注意点

買う前に確認しておきたい3つのこと

1年間は換金できない

最も重要な制約です。個人向け国債は、購入後1年間は原則として中途換金ができません。1年経過後も換金は可能ですが、直前2回分(約1年分)の利子相当額が差し引かれます。

生活防衛資金を国債にしてはいけません。失業や病気、急な出費に備えるお金は、いつでも引き出せる普通預金で確保してください。国債に回すのは、その先の「当面使う予定のないお金」だけです。この線引きを間違えると、いざというときに動かせず困ることになります。

利子には税金がかかる

受け取る利子には20.315%の税金がかかります。固定5年の2.24%は税引前の数字で、税引後では年1.78%程度。100万円なら1年で約17,800円です。預金の利息も同じく課税されるので比較の前提は変わりませんが、手取りの感覚は持っておきましょう。

インフレには完全には勝てない

これは冷静に見ておくべき点です。国債の税引後利回りは、現在の物価上昇率と比べて、大きく上回る水準ではありません。国債は「インフレに完全に勝つ資産」ではなく、「預金よりはインフレに対抗でき、かつ元本が守られる資産」という位置づけです。

資産を実質的に増やしたいなら、その役割は長期の投資(NISAでのインデックス投資など)が担います。国債と投資は、競合ではなく役割分担の関係です。


05 — 実務

買い方と、今後の予定

  1. 証券会社か銀行で購入する
    ネット証券、銀行、ゆうちょ銀行などで購入できます。取扱金融機関によってキャンペーン(現金プレゼント等)の有無が異なるため、比較する価値はあります。
  2. 1万円単位で申し込む
    最低1万円から、1万円単位。金額の上限は実質的にありません。
  3. 募集期間内に手続きする
    9月募集分は9月30日まで。発行日は10月15日です。

2027年1月から「個人向け国債プラス」へ

もう一つ、知っておくとよい話があります。2026年12月募集・2027年1月発行分から、個人向け国債は「個人向け国債プラス」へ名称が変更される予定です。商品性そのものが変わるわけではなく、購入できる対象者の範囲が広がることによる改称とされています。名前が変わっても中身は同じ、と覚えておけば戸惑わずに済みます。


06 — まとめ

「金利ある世界」の選択肢として

個人向け国債は、長いあいだ「買う意味のない商品」でした。しかし2.24%という数字は、その評価を変えるに十分です。元本が守られ、為替リスクもなく、円建てで完結する。そのうえで預金を上回る利息がつく。安全資産の置き場所として、あらためて検討する価値があります。

  • 9月募集は固定5年2.24%、固定3年1.96%、変動10年1.95%。3タイプとも上昇
  • 背景は長期金利の上昇。市場金利しだいで来月以降も変動する
  • ネット銀行の定期預金と比べても遜色ない、あるいは上回る水準
  • 生活防衛資金は対象外。1年間動かせない点は必ず確認を
  • 迷うなら固定と変動を分ける、毎月分散して買うという方法もある

金利は毎月変わります。この記事の数字は9月募集分のものですので、実際に購入される際は財務省や取扱金融機関で最新の条件をご確認ください。当ブログでは、今後も募集金利の動きを追っていきます。

免責事項:本記事は一般的な情報提供・教育目的の内容であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。記載の金利・制度・数値は2026年9月時点で参照した公開情報に基づくものであり、募集月や金融情勢により変動します。預金金利は金融機関・商品・時期により異なり、キャンペーン金利には適用条件がある場合があります。投資および資産の配分は、ご自身の判断と責任で行ってください。

出典:財務省「個人向け国債」2026年9月募集条件 / 各金融機関の公表金利(2026年9月時点)

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