スペースX(SPCX)上場から数日、投資妙味はあるのか?最新データで検証

上場初日(6/12) 終値$160.95 ▲公開価格比+19% 6/16 ピーク$225.64 ▲Cursor買収発表で急騰 6/18 終値$185.00 ▼ピークから一服 2025年 最終損益 ▼49億ドルの赤字 NASDAQ100組み入れ ▲7月6日予定・比率0.5〜0.6%見込み PBR ▼39.5倍=高いバリュエーション 上場初日(6/12) 終値$160.95 ▲公開価格比+19% 6/16 ピーク$225.64 ▲Cursor買収発表で急騰 6/18 終値$185.00 ▼ピークから一服 2025年 最終損益 ▼49億ドルの赤字

SPCX上場後レビュー・2026年6月

スペースX上場から数日。
投資妙味はどこにあるのか

2026年6月12日、スペースX(SPCX)が史上最大規模のIPOでナスダックに上場しました。上場から1週間あまりが経った今、最新の値動きと財務データから投資妙味とリスクを検証します。

振り返り

上場後の値動き

公開価格135ドルに対し、初値は150ドル(+11%)、上場初日の終値は160.95ドル(+19%)でスタート。その後、AIコーディング企業Cursorの買収発表を受けて6月16日には225.64ドルまで急騰する場面もありましたが、直近は185ドル前後まで値を落としています。

SPCX 株価の推移(終値・主要時点)

$135
$150
$160.95
$225.64
$191.82
$185.00
6/12
公開価格
6/12
初値
6/12
初日終値
6/16
ピーク
6/17
終値
6/18
終値
上場直後の上昇 ピークからの調整

価格は報道ベースの概況であり、リアルタイムの正確性は保証されません。

上場初日だけで時価総額は2兆1000億ドル(約336兆円)に達しました。6月16日には、全株式交換によるAIコーディング企業Cursor(約600億ドル規模、希薄化率3.4%)の買収発表を受けて株価が急騰し、一時はAmazonを上回る規模となりました。その後は週後半にかけて値を落としており、「上場直後の熱狂」と「短期的な調整」が同時に起きている状態と言えます。

中身

なぜここまで評価されているのか

スペースXは、再使用型ロケット「ファルコン9」による打上げサービス、衛星インターネット「Starlink」、開発中の大型ロケット「Starship」、そして2026年2月に統合した生成AI企業「xAI(Grok)」という4つの事業を持っています。Starlinkの契約者数は1,030万人に達し、2026年第1四半期の単独売上は32.6億ドル(年率換算130億ドル超)と高い成長を見せています。

市場関係者によるセグメント別の価値試算では、Starlinkに6,000〜8,000億ドル、打上げサービスに2,000〜3,000億ドル、Starshipに3,000〜5,000億ドル、xAIに2,000〜3,000億ドルという見方があり、これを合計するとIPO時の想定評価額(1兆7,765億ドル)に近い水準になります。つまり、上場時点の評価額自体は、各事業を個別に積み上げた水準とおおむね整合していたことになります。

リスク

数字で見るバリュエーション

売上高 187億ドル 2025年通期。前年比+33%の高成長。
最終損益 ▼49億ドル 2025年はGAAP基準で赤字。2026年Q1も42.8億ドルの赤字。
PBR(6/18時点) 39.5倍 PERは赤字のため算出不可。割高感を示す材料の一つ。

赤字経営が続いているのは、Starshipの開発費やxAI部門のデータセンター・GPUへの投資など、将来のための先行投資が大きいためです。一方で、Morningstarは上場時点の想定評価額(1兆7,765億ドル)に対しても「30%割高」との見方を示しており、現在の取引水準はその想定をさらに上回っています。

需給

短期的な値動きを左右するイベント

上場直後の数週間は、業績よりも「指数組み入れ」や「株式の供給量」といった需給イベントが値動きを左右しやすい時期です。

6/19 FTSE/CRSP採用 指数採用に伴い約50〜90億ドルの機械的な買い需要が見込まれる。
6/26 MSCI採用 採用に伴い約30〜60億ドルの買い需要が見込まれる。
7/6予定 NASDAQ100組入 組み入れ比率は0.5〜0.6%程度の見込み。約150〜200億ドル規模の買い需要。
6/30 ロックアップ解除 マスク氏以外の既存株主保有株の約20%が解除予定。供給増のリスク要因。

なお、S&P500への採用には「直近4四半期の純利益合計がプラスであること」という条件があり、現在赤字のスペースXはこの要件を満たせません。採用は早くとも2027年以降と見られています。

視点

個人投資家にとっての投資妙味をどう考えるか

規模が大きいことと「絶対に儲かる」ことは、まったく別の話である。

強気の見方

  • 打上げ・衛星通信・次世代ロケット・AIの4事業を持つ稀有な成長企業
  • Starlinkの加入者数・売上が高成長を継続
  • 指数採用に伴う機械的な買い需要が当面続く見込み
  • アナリストの目標株価は現値を上回る水準に設定されている

慎重な見方

  • 2025年・2026年Q1ともに大幅な最終赤字
  • PBR39.5倍など、バリュエーションは既に高い
  • ロックアップ解除に伴う供給増のリスク
  • Cursor買収(600億ドル、全株式交換)による3.4%の希薄化と統合リスク
  • ピーク(6/16)から既に調整局面に入っている

すでにナスダック100に連動するインデックスファンドを持っている場合、2026年7月以降は自動的にSPCXを保有することになりますが、その比率は0.5〜0.6%程度とごく小さいものです。S&P500のインデックスファンドには当面組み入れられません。個別株として保有するかどうかは、こうした「指数経由でごくわずかに持つ」状態とは別の判断になります。

まとめ

規模の大きさと、価格の正しさは別の話

スペースXは事業の幅広さと成長性において稀有な企業ですが、上場後すでに高いボラティリティを見せており、バリュエーションも安くはありません。アナリストや個人投資家の見方も「買い」「売り」に分かれており、市場の評価が定まっているとは言えない状況です。

指数組み入れやロックアップ解除など、向こう数週間は需給イベントが続きます。短期の値動きに惑わされず、自身の投資目的・リスク許容度・投資期間に基づいて判断することが重要です。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。記載のデータは執筆時点(2026年6月20日前後)の報道・証券会社レポート等に基づく概況であり、その後の市場動向により変動します。投資にあたっては最新の情報を確認の上、必要に応じて金融の専門家にもご相談ください。

SPCX上場後レビュー・2026年6月

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