2026年7月の日米相場展望。FOMC・日銀・決算シーズンをどう読むか

7月アノマリー(米国)▲S&P500・ダウは1月・4月・7月・11月・12月が上昇しやすい傾向 7月アノマリー(日本)▼過去30年で7〜10月は平均リターンがマイナス。ただし前半と後半で性質が異なる 7月上旬▼ETF分配金捻出売りで日本株の上値を抑制(毎年恒例) 7月後半▲ETF分配金再投資効果と決算シーズン本格化で相場が持ち直しやすい FOMC(7/29)▼利上げ確率が36%に急浮上。ウォーシュ新議長の発言に注目 日銀(7/31)▼6月に1.00%へ利上げ済み。7月は据え置き見通しも発言に警戒 7月アノマリー(米国)▲S&P500・ダウは1月・4月・7月・11月・12月が上昇しやすい傾向

2026年7月・相場展望

7月の日米相場、
どう動くかを読む

7月1日から相場後半戦が始まります。季節性(アノマリー)のデータ、FOMC・日銀という2大イベント、そして決算シーズンの波を踏まえ、今月の展望と個人投資家の行動指針を整理します。

今月の出発点

6月末時点の相場環境

7月に入る前に、6月をどう終えたかを確認しておくことが、今月の方向感を読む第一歩です。

日銀(6月16日) 政策金利を1.00%へ引き上げ 0.25%の利上げを実施。1.00%という水準は1995年以来31年ぶりの高さ。長期国債の買入れ計画では、2027年4月以降の減額措置停止も発表。
FOMC(6月) 4会合連続で据え置き(3.50〜3.75%) ただし参加者の見通しが「年内利下げ1回」から「年内利上げ1回」に転換。ウォーシュ新議長は自身のドット提示を見送り、情報発信は絞り込まれている。
最大のリスク(6月末) BISが「AIバブル崩壊」を警告 6月28日、国際決済銀行が年次報告書でAIバブル崩壊・インフレ・財政リスクを世界経済の最大の脅威と指摘。

アノマリー

7月の「季節性」をデータで確認する

アノマリー(経験則)は絶対的な予測ではありませんが、月ごとの需給の傾向を把握する手がかりになります。

  • 米国株(7月)三井住友DSアセットマネジメントの集計では、NYダウ・S&P500・ナスダックは、1月・4月・7月・11月・12月が上昇しやすい傾向があります。過去のデータでは7月は比較的プラスが出やすい月の一つです。
  • 日本株(7月全体)楽天証券経済研究所によると、過去30年のデータでは日経平均の7〜10月の平均リターンはマイナスです。これは米国株の夏枯れを受けやすい構造が背景にあります。ただし、7月のみに絞ると「意外と底堅い」という指摘もあります。
  • 7月前半(日本)毎年恒例の「ETF分配金捻出売り」が発生します。日経平均・TOPIXに連動する運用を行うETFが分配金支払いのための売りを出すため、上値が重くなる傾向があります。
  • 7月後半(日本)ETF分配金の再投資効果が期待されます。さらに7月下旬から8月にかけて、国内主要企業の第1四半期決算が発表され始めるため、好業績銘柄への個別の物色が活発になりやすい時期です。
「夏枯れ」は7〜8月全体の話。7月の後半は、むしろ相場が持ち直しやすい経験則もある。

イベントカレンダー

7月に動く主なイベント

日程イベント注目点
7月上旬 ETF分配金捻出売り(日本)日経平均・TOPIXの上値を抑える毎年恒例の需給イベント。先に織り込まれていればイベント通過後に持ち直す可能性も
7月3〜4日頃 米国6月雇用統計雇用の強さがFOMCの利上げ判断に直結する。強い数字が出れば利上げ観測がさらに高まる
7月下旬から 日本企業・第1四半期決算製造業・半導体関連を中心に注目。インフレ・円安の恩恵を受けているか
7月28日 アルファベット(GOOGL)Q2決算FCFの回復軌道が確認できるか。AI投資の収益化への進捗が最大の注目点
7月28〜29日 FOMC利上げ(現状維持3.50〜3.75%)が64%、利上げ(3.75〜4.00%)が36%。ウォーシュ新議長の発言スタンスに注目
7月31日 日銀金融政策決定会合6月に利上げ済みのため7月は据え置き見通しが大勢。ただし植田総裁の記者会見(15:30〜)での次回以降の利上げ示唆に警戒

米国株の展望

FOMC「利上げ確率36%」という緊張感

今月の米国株の方向性を決める最大の要因は、7月29日のFOMCです。

6月18日時点で「7月FOMCでの利上げ確率が4割に急上昇」と日経新聞が報じていたものが、7月1日現在では利上げ確率36.3%・据え置き63.7%という水準に落ち着いています。過半数はまだ「据え置き」を想定していますが、1ヶ月前(81.6%が据え置き)と比べると、利上げへの警戒感が大幅に高まっていることは明らかです。

これは「米国株がアノマリー的に7月は上昇しやすい」という季節性と、「金利上昇リスクが再燃している」という現実の綱引きになっている状態です。さらに、FOMCの前日には7月28日のアルファベットの決算があり、その結果次第でAI株全体のセンチメントが大きく振れる可能性があります。

上昇シナリオ

  • FOMCが据え置きを維持し、利上げに慎重な姿勢を示す
  • アルファベット決算でFCFの改善傾向が確認される
  • 7月のアノマリー通り、決算シーズン開幕と季節的な買いが重なる

下落シナリオ

  • 雇用統計・物価指標が強く、FOMCが利上げを実施または利上げ示唆を強める
  • アルファベット決算でFCFの悪化が続き、AI投資への失望売りが広がる
  • BISの警告を背景に、AIバブル懸念が意識されたまま月を通じて重しになる

日本株の展望

「前半は重く、後半に持ち直す」構図

7月前半のリスク ETF分配金売り+米国金利上昇懸念 毎年恒例のETF分配金捻出売りに加え、米FOMC前の様子見ムードが重なり、上値が重い展開になりやすい。
7月後半の期待 決算シーズン開幕と分配金再投資 FOMC・日銀というビッグイベントを通過後、国内企業の第1四半期決算が本格化し、好業績銘柄を中心に個別物色が活発化しやすい。
日銀(7月31日) 据え置き見通しだが発言に注意 6月に利上げ済みのため7月は据え置きが大勢。ただし植田総裁の会見で次回以降の追加利上げが示唆されれば円高・株安の引き金になり得る。

日銀の政策金利1.00%という水準は31年ぶりの高さです。今後の追加利上げが意識されると、金利上昇→円高→輸出株・外需株の重しという経路で日本株に波及するリスクがあります。一方で、利上げを正当化するほど国内景気が強ければ、それ自体が内需株・銀行株には追い風という見方もあります。7月31日の会見で植田総裁がどこまで次の一手を示唆するかが、7月末から8月にかけての日本株の方向を決める重要な分岐点になります。

個人投資家への提言

今月、どう動き、どう備えるか

  1. 7月前半は焦って動かない ETF分配金売りとFOMC前の様子見が重なる7月前半は、下押しが起きやすい時期です。「下がったから売る」のではなく、イベント通過後に状況を確認してから動く方が、無駄な損切りを避けやすいです。
  2. 7月28〜29日のFOMCを軸に相場を見る 今月最大のイベントです。結果は日本時間の7月30日早朝(夏時間のため午前3時頃)に発表されます。同日夜明けには東京市場が開くため、前日の30日は動きを確認してから売買判断をするのが現実的です。
  3. アルファベットの決算(7月28日)を確認する 6月の急落以来、AI株全体の評価軸になっています。FCFが改善傾向を示すかどうかで、AI関連株全体への投資家心理が変わります。保有している方は、翌朝の反応を見てから判断しても遅くありません。
  4. 日銀(7月31日)は「据え置きでも安心しない」 利上げ自体が7月になかったとしても、植田総裁の発言に次回以降の利上げ示唆があれば、円高・株安になりやすいです。会見は15時30分から。特に外需株・輸出株を多く保有している方は、会見内容に注意してください。
  5. 積立投資は何もしない 月次の積立投資をしている方にとって、7月は特別なアクションが必要な月ではありません。毎月コンスタントに積み立てるというルールを守ることが、季節性や短期的なイベントに左右されずに済む最も有効な対応です。
  6. 「夏枯れ」後の9〜10月安値を仕込みの機会として意識する 過去30年のデータでは、7月以降の夏場は平均リターンがマイナスになりやすく、9月・10月が年間で最も弱い時期です。7月は急いで買いを増やすよりも、秋の調整局面で一段安したときに追加する余力を残しておく、という考え方も一つです。

まとめ

「前半は重く、後半はFOMC・決算次第」

7月のシナリオを一言でまとめると、ETF分配金売りが重なる前半は上値が重く、FOMC(7月29日)・アルファベット決算(7月28日)・日銀(7月31日)という3大イベントの通過後、後半にかけて決算シーズン本格化で方向感が定まるという展開です。アノマリーでは米国株の7月は上昇しやすい月ですが、FOMCの利上げ確率が36%まで上昇している今年は、そのアノマリー通りになるかどうかは例年以上に不透明です。個人投資家にとっては、前半に無理に動かず、イベント通過後の状況を確認してから判断するのが、最もリスクを抑えた行動になります。

本記事は一般的な情報提供を目的とした分析・整理であり、将来の市場動向を保証するものではなく、特定の投資判断を推奨するものでもありません。記載のデータ(アノマリー・イベントスケジュール・金利の織り込み度等)は執筆時点(2026年7月1日)の情報に基づくものであり、その後の市況により変わる可能性があります。投資にあたっては最新の情報を確認の上、必要に応じて金融の専門家にもご相談ください。

2026年7月・相場展望

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